マサチューセッツ工科大学教授講演会「進化における人間の言語」

特別講演


進化における人間の言語

静岡県立大学言語コミュニケーション研究センターでは、マサチューセッツ工科大学 宮川繁 教授をお迎えして、特別講演会を開催します。

■日時
2017年2月8日(水曜日) 14時40分~16時10分

■会場
谷田キャンパス 一般教育棟3階 2310 (STUDIO)

<要旨>
言語の起源については、2つの異なる仮説が提案され現在盛んに議論されている。一つは、言語が数 十万年から100万年あまりを経て段階的(gradual)に単純なものから現在の複雑なシステムに発展したとする仮説であり、もう一つは、10万年ほど前に徐々にではなく突然(saltational) 現在のような形で出現したとする仮説である。本発表では、最近のDNAやゲノムの研究に基づいて、 人間の祖先は Two-Stage Externalizationと呼ばれる2段階の展開を経て言語を獲得するに至ったと主張する。第1段階 (Primordial Stage) は、鳥の歌や猿のアラーム・コールとほぼ同じシステムの外在化の段階で、人間特有なものではない。この段階は数十万年から100万年以上続いたと考えられる。その後 10万年ほど前に、このprimordial systemから人間特有の抽象的思考(symbolic thinking)の能力が発達し、それに伴って、Blombos Caveで発見されたochreや洞窟の絵、洗練された道具、武器などが現れた。言語もその一つである。第2段階 (Language Stage) は、この抽象的思考を外在化した段階で現在にまで至っている。

<宮川繁 氏>
―言語学博士(1980年アリゾナ州立大学)。1991年より マッサチューセッツ工科大学(MIT) 言語学教授。2014年より東京大学特任教授・オンライン教育統括ディレクター。国際的に著名な言語学者で著書・論文多数。近刊にAgreement Beyond Phi (Linguistic Inquiry Monograph, MIT Press, 2017)がある。MIT教育への最も意義深い貢献としてIrwin Sizer賞を受賞。教育工学雑誌Convergeは宮川氏を全米20名の「未来の牽引者」の一人として選出。

お問い合わせ先

吉村紀子(言語コミュニケーション研究センター長)
電話: 054-264-5371