鬼頭学長から新成人の学生へのメッセージ


成人となるみなさんへ

学長 鬼頭 宏

成人式を迎えたみなさん、おめでとうございます。こころからお祝い申し上げます。
今年は全国で123万人が新成人として成人式を迎えたとのことです。昨年から、18歳、19歳の国民が選挙権を行使できるようになりました。しかし、はたちを境に名実ともにおとなの仲間入りをするという制度は変わっていません。法律は「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを成人の日を制定した趣旨としています。若葉マーク付きのおとなかもしれませんが、学生だからといって子ども扱いはされなくなります。積極的に社会参加し、責任ある行動をとるように心がけてください。
古来、日本では通過儀礼と呼ばれる儀式が行われてきました。生まれれば産湯を使い、生後七日目にお七夜、その後もお宮参り、食い初め、初節句、七五三と、一定の年齢に達するごとに子の無事を祈り、成長を願って行われてきたしきたりです。
長じては、男子は元服、庶民のあいだでは「ふんどし祝い」と呼ばれる儀式が行われていました。女子もまた化粧や髪型を変えたり、「へこ祝い」「腰巻祝い」と称する風習が各地にありました。成人になったことを祝う行事です。通過儀礼の役割はそれだけではありません。家族から近隣社会、国へと、だんだん広く深く社会の一員として、存在が認められていく通過点でもありました。
バンジー・ジャンプも、もとは南太平洋で行われていた成人式の通過儀礼だとのことです。与えられた試練に挑み、それを無事に達成することで、一人前の人として受け入れられたのです。
みなさんは「ゆとり世代」と揶揄されることがあります。しかしいわゆる「ゆとり教育」は、本当にダメだったのでしょうか。私はそう考えていません。これからの30年は産業文明に替わる新しい文明を模索する時代となるでしょう。そんな時代だからこそ、人間性、思考力、判断力、表現力を重視した学習が成果を発揮する時代がやってきたのだと思います。
みなさんは未来をつくる主人公です。自信をもって自らの未来を築き、世界の「持続可能な開発目標」の実現に向けて力を発揮することを期待しています。

学長 鬼頭 宏



(2017年1月10日)