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ブログ「学長の部屋」


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続・変わる就活ルール

暦の上で二十四節気の入梅は6月11日でしたが、今年は近畿から九州北部にかけての西日本では6月26日と、平年より20日前後も遅い梅雨入りとなりました。梅雨まっただ中の季節といえば、就活の選考期間にあたります。今まさに面接などで駆け回っている学生も多いのではないでしょうか。就活ルールでは、6月1日を選考解禁日としていますが、売り手市場の今日では、実態はもっと早く動いていて、現時点で「内々定」を受けた学生も多いとのことです。
こうした実態を反映して、経団連は現行の新卒一括採用方式を改めることを提案しました。経団連と国公私立大学の代表者たちが産学協議会を設けて意見交換を行ってきましたが、4月下旬に、新卒一括採用に加えて、個々の能力を重視した通年型のジョブ型採用など、採用形態の多様化を進めることで合意しました。
産学協議会では、これからやってくるSociety 5.0を支える人材育成、グローバル化に対応した教育、職業観を養うインターンシップの方法、地域活性化人材の養成などの課題について、今後、具体的に詰めていく予定になっています。経団連は、大学教育を尊重して、成績評価は学位取得に至る全体を評価すること、卒業要件を厳格にすることなどの提案をしています。私も公立大学の代表として協議会に参加しています。教員はもとより、当事者の学生諸君から意見を承りたいと思います。

  睡蓮の池まづ梅雨に入りにけり  久保田万太郎

睡蓮

2019年7月1日


令和考

5月1日に新天皇が即位され、元号が平成から令和に替わりました。初めて、国書である『万葉集』が出典となったことをめぐって、にぎやかに議論が交わされています。しかし出典が国書なのか、それとも漢籍の影響を受けているかの詮索よりも、私は別の点から感想を述べさせていただきます。
『万葉集』巻五の該当箇所「梅花の歌三十二首 併せて序」を調べてみると、しばしば引用される「初春令月、気淑風和」の後に、「梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」とあります。すなわち、「梅」を鏡の前で化粧をする女性に、「蘭」を着飾った衣から良い香りを漂わせる女性に擬しているのです。たしかに優雅な雰囲気が漂ってきます。これが奈良朝の美意識というものなのでしょう。
風にはらはらとこぼれる梅花の花言葉は「高潔」、「忠実」、「忍耐」。蘭(春蘭)の花言葉は「気品」、「清純」、「控えめな美」だそうです。しかしながら梅や蘭の花言葉が、そのまま令和の女性に求められる人間像だというわけではないでしょう。女性の活躍が期待され、ジェンダー平等の実現が求められている21世紀の日本にふさわしい女性像とはいったいどのようなものでしょうか。寒さに耐え、他に先駆けていち早く咲く梅の健気さと進取の精神、春蘭の気品あるたたずまい――そのようなところに、求める人間像を見出したいものです。
正月飾りに求めた鉢植えの梅の木に、青梅がいくつか育っています。梅雨入りも近いのでしょう。

  青梅に眉あつめたる美人哉  蕪村

正月飾りに求めた鉢植えの梅の木

2019年5月24日


変わる就活ルール

満開のソメイヨシノが一段と華やかに演出するなか、4月9日に平成最後の入学式が執り行われ、学部、短大部、大学院合わせて945名の新入生を迎えました。
在学生も含めて、学生諸君が卒業するのは令和の時代になります。令和になって変わるものの一つに、就活ルールが予想されています。問題の発端は、経団連の中西宏明会長が、2020年卒業生を最後に現行のルールの廃止を表明したことでした。今年1月には経団連に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が設置され、大学との意見交換が続けられています。私も協議会のメンバーに加わっていますが、産業界がどのような新しい就活ルールを求めてくるかはまだわかりません。
しかしルールがどのようになろうとも、学生諸君が気をつけるべきは近未来にどのような仕事が待っているかではないでしょうか。AIの普及によって、なくなる仕事のあることが指摘されています。消える仕事がある一方、新しく生まれる仕事もあるはずです。早い時期から将来の目標を定めて、どのような生き方をしたいのか考えてください。日々の勉学に励むとともに、学生生活を通じて、考え抜く力、実行力、チームワーク力など、「社会人基礎力」と呼ばれる力を身につけてください。「そなえよつねに」です。
※ボーイスカウトのモットー

  不二ひとつうづみ残して若葉かな  蕪村

本学の芝生園地からの眺め

2019年4月17日


SMOKE-FREE CAMPUS宣言

この4月から、本学敷地内が全面禁煙となります。2002年に屋内禁煙に踏み切って以来、徐々に屋外喫煙所を減らしてきましたが、小鹿キャンパスに続いて、草薙キャンパスでも全面禁煙に移行することになりました。
昨年、望まない受動喫煙を防止する目的で健康増進法が改正され、2020年4月から施行されるのが大きな理由です。学校などにはこの7月から適用されます。さらに本学では、学生が喫煙習慣をもつのを防ぐこと、健康長寿社会の実現を目指す教育研究拠点であること、医療従事者を養成する大学であることから、一足早く全面禁煙に踏み切りました。
日本人とタバコの付き合いは、最初のグローバル化が進んだ16世紀に始まりました。江戸時代にはお茶と並んで、タバコは男女、階級の上下の区別なく愛されて、独自の喫煙文化を作りました。しかし禁煙もまた平成の文化です。愛煙家の皆様には不便をかけますが、ご理解ください。なかなか禁煙に踏み切れないという方は、健康増進室に相談してください。お手伝いします。
二十四節気の雨水が過ぎて、梅園では遅咲きのピーク。雨で潤った土の匂いに乗って、花の香りが漂ってきます。彩りに溢れる季節になっていきますが、季節の移ろいを香りで楽しんではいかがでしょうか。

  古庭の古き匂ひや沈丁花  正岡子規

草薙キャンパスで春に見頃を迎えるモクレン

2019年2月27日


成人の日にあたって

成人式を迎えたみなさん、おめでとうございます。
総務省の発表によると、今年1月1日現在、20歳の新成人は125万人いるそうです。以前は小正月の1月15日に固定されていた成人の日は、2000年から1月第2月曜日となりました。今年は14日です。静岡市では幼馴染と一緒に祝えるようにと、1月3日に成人式を挙行しました。地域によっては夏のお盆の時期に行うところもあるようです。
日本では2016年に18歳から選挙権が行使できるようになりました。また昨年、民法の一部が改正されて、これまで20歳であった「成年」の規定が18歳になりました(施行は2022年)。ただし飲酒、喫煙はいままで通り20歳未満の者には認められていません。少年法の適用年齢も「20歳未満」と、いまのところ変わっていません。成年といっても、幅があるのですね。
昔からどの社会でも成年式または成人式は、子どもを一人前のおとなとして認め、社会の一員として迎え入れる大事な通過儀礼でした。「草薙の剣」で静岡との関係が深いヤマトタケルの東西平定の物語(『日本書紀』)も、成年式を終えた若き勇者の通過儀礼の試練を描いたものと解釈されているそうです。
成人となるとさまざまな権利を付与されますが、同時におとなとして責任が問われることになります。どうぞ成年として自覚をもち、行動を自重していただきたい。それと同時に、みなさんがそれぞれに人生100年の目的を掲げ、目標を達成しているかどうか、点検する機会としてはいかがでしょうか。

  水かへて水仙影を正しけり  日野草城

学長室に飾られた水仙

2019年1月9日


一年の終わりに未来を考える

この秋、一冊の本を読みました。イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』です。ハラリは、人類(ホモ・サピエンス)は、遺伝子工学やAIなどの技術によって高い知能と大きな力を持つようになり、創造者=神の領域に近づくだろう、それがホモ・デウスであるというのです。しかしそのような未来社会では、一握りの超人に対して、大多数の人々は機械やAIに仕事を奪われて「無用者階級」になるだろうと警告しています。
そうならないようにするには、生涯を通じて学び続けて自己を刷新し、変化を前向きに受け入れていくこと、そうして強靭な精神力と心の知能指数(EQ)を涵養(かんよう)しなければならない、とある雑誌のインタビューで答えています。
去る11月26日に、中央教育審議会は「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」と題する答申を文科大臣に提出しました。新聞報道ではもっぱら18歳人口減少と大学間の連携、統合の問題が取り上げられていましたが、もっと大事なことは、今年生まれた子供が大学を卒業する頃の2040年をどのように捉えているかという点ではないでしょうか。
そこで描かれるのは、第4次産業革命による新しい時代(Society 5.0)への移行、グローバリズムの拡大と地方創生の実現、SDGs(持続可能な開発目標)の達成、人生100年の時代とされています。ハラリの説く人類の未来図に通じるものではないでしょうか。答申では、これから起きる大きな変革を理解し、実践する能力を持った人材の育成が求められています。
2040年はずいぶん遠い先のように思えますが、学生諸君にとっては働き盛りの人生の半ばです。大学教育も大きく変わっていく必要があります。時は平成から平成後への変わり目。年末・年始の冬休みに未来のことを考えてみませんか。

  冬の日のうちかがやきて眉にあり    虚子

未来へ向かって!

2018年12月13日


本庶佑先生、ノーベル賞受賞

うれしいニュースが届きました。本学の大学法人顧問で、昨年4月まで5年間、理事長を務めてくださった本庶佑先生が、がん免疫療法の開発で今年のノーベル生理学・医学賞を受賞されることが決まりました。毎年、金木犀の香りが漂う頃になると、今年はどうだろうかと、心を躍らせてきました。今年も、10月1日の夕方になると、テレビに釘付けになって、吉報を待っていました。受賞が伝えられると、胸をなでおろすとともに、我が事のようにうれしく、県立大学の一員として誇りに思いました。
本学の2年生以上の学生諸君は、入学式で本庶先生から祝辞をいただいており、創立30周年記念事業の講演を聴いた人もいるでしょう。平易な言葉で語られるにもかかわらず、いつも深い洞察に富む内容です。「教科書に書いてあることを信じてはいけない」という言葉はよく知られていますが、わかりきったと思われることにも、自分の頭で、納得がいくまで考えなさいというメッセージが込められています。
本庶先生は、時代を変える研究には6つの「C」が必要だと説いています。好奇心(Curiosity)、勇気(Courage)、挑戦(Challenge)、確信(Confidence)、集中(Concentration)、そして継続(Continuity)です。これからの時代を切り開く学生諸君には、どの分野に進もうとも、しっかりとこれら6つの「C」を身につけてもらいたいと願っています。

2016年11月10日
京都賞授賞式のパーティーにて
(転載禁止)

2018年10月18日


天災の文明学

9月8日は二十四節季の「白露」でした。日の入りが早くなり、朝夕、だいぶしのぎやすくなったように感じられます。初秋を彩った白や赤紫のムクゲの花も、そろそろ主役交代の時期のようです。
それにしてもこの夏は暑かったですね。日本中が記録的な猛暑に見舞われました。その上、次々と台風が発生し、各地に洪水と暴風の被害をもたらしました。追い打ちをかけるように、9月6日の未明には最大震度7を記録する「北海道胆振東部地震」が発生、大停電が起き、北海道全体が「ブラックアウト」の状態となりました。ほぼ同時に、関西空港と新千歳空港が機能停止に追い込まれましたが、インバウンドの増加によって観光立国を目指す日本にとって、なんとも心細い話です。
「天災は忘れた頃にやってくる」――物理学者で随筆の名手であった寺田寅彦の言葉です。弟子であった中谷(なかや)宇吉郎によって広く知られるようになった言葉ですが、今年、天災は忘れる暇もないうちに繰り返し、追い打ちをかけてやって来ました。
台風や地震など自然界の変動は人がいてもいなくても起きるもので、いわば生命体としての地球の呼吸、鼓動、身ぶるいのようなもの。人がいるからそれが「災害」となると考えるべきでしょう。土木技術に依存する工学的適応だけで対応しきれるものではありません。災害が起きにくい地形を居住地として選ぶ、安全な避難行動をとるなど、生態学的な適応が求められているのです。
地殻変動が盛んでモンスーン気候の日本列島にとって、「天災」である噴火、地滑り、洪水は、本来豊かな大地を育み、恵みをもたらしてくれるものでもありました。9月は防災月間です。自然との付き合い方を文明の観点から見直してはどうでしょうか。
結びに、この度の自然災害等により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災された皆さまの生活が、1日も早く復旧することをお祈り申し上げます。

お見舞い申し上げます

2018年9月12日


地球科学から見る働き方改革

  日本海は若き海なり夏薊(なつあざみ)  尾池和夫

去る7月11日、尾池理事長の「日本列島の自然〜地球科学から見る静岡〜」と題する特別講演が行われました。
地球科学者の立場から「2038年巨大地震説」について説明がありましたが、この講演で目を開かされたのは、日本に四季があり、緯度が低いにもかかわらず豪雪に見舞われるという気候の特徴が、地殻変動によって日本海が生まれたためだという指摘でした。微妙な季節の移ろいを、季語に託して十七文字で表現する俳句文学が成立した背景には、かくも壮大な地球の歴史があったのですね。
私がその通り、と心の中で拍手したのは、明治になって太陽太陰暦、いわゆる旧暦と不定時法を捨てたことを嘆かれたことです。確かに近代化にとって、年により閏月(うるうづき)がある旧暦や、毎日、1時間の長さが変わる不定時法は不便かもしれません。しかし月の満ち欠けを重んじる旧暦は、大潮の日がすぐわかるので釣り人には便利ですし、女性の間でルナ・カレンダーは人気があります。日の出と日の入りを基準とする不定時法は不便なようですが、人の生理には合っているように思えます。
すったもんだの末、6月の国会で一連の「働き方改革法案」が可決されました。国会ではもっぱら労働時間規制が問題とされたのですが、季節によって働き方を自由に変えることができるような改革こそ、季節の移ろいを楽しみ、自然と親しむ日本文化の伝統を重んじる施策なのではないでしょうか。

7月11日に開催された尾池理事長特別講演

2018年7月20日


ジェンダー・ギャップ

去る5月23日に「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」が公布・施行されました。国政、地方議会における選挙で、できる限り男女の候補者数が均等になることを目指して、政治分野における男女共同参画を推進しようというものです。
世界経済フォーラムの調査によると、2017年に日本の男女平等ランキングは144カ国中、114位と非常に低いものでした。さまざまな項目の中で一番低かったのが国会議員数。このたび公布された法律は、その解消を目指すものです。教育面では、読み書き能力や、初等・中等教育で男女間の不平等は見られませんが、高等教育、教授・専門職、経営管理職で日本の評価は低くなっています。
本学では日本科学技術振興財団(JST)の資金を得て、2年にわたり「女子中高生の理系進路支援選択支援プログラム 夏の体験実験 in 県大」に取り組んできました。中1から高1までを対象にしたものなので、成果が現れるのはこれからですが、「リケジョ」の入学を大いに期待しています。
男女雇用機会均等法の公布(1985年6月1日)にちなんで、6月は男女雇用機会均等月間として、さまざまな啓蒙活動が実施されています。進路の選択、雇用や賃金格差、労働と家庭生活のバランス、ハラスメントなど、ジェンダー・ギャップの解消に向けて、身近な問題から意識や制度の改革を進めましょう。

静岡市の花、タチアオイ(立葵)が沿道に美しいこの頃です。タチアオイの花言葉に「気高く威厳に満ちた美」があります。天に向かって花を咲かせていくその凜としたたたずまいに、古人は理想を目指す高い志を見たといいます。

  咲きのぼる梅雨の晴れ間の葵かな   夏目成美(江戸時代の俳人)

本格的な夏の訪れも、もうすぐですね。

タチアオイ

2018年6月14日


五月の風

ゴールデン・ウィークに群馬県の浅間高原を訪ねました。山の遅い春は桜、林檎、石楠花、山吹、水仙と賑やかな花の饗宴です。新緑の森を吹きわたる風に癒されて下界に戻りました。
ところが連休明けとともに、奄美で、続いて沖縄で梅雨入りです。静岡の空も、どんよりと雲が垂れ込めて鬱陶しい気分です。思わず「五月病」ということばを思い浮かべました。
体がだるく、なんとなく気分が滅入る、人と会うのが億劫(おっくう)だ、などの症状が感じられたら、それは五月病かもしれません。新しい環境で勉強や仕事を始めてひと月たった頃に、それまでの緊張が緩み、疲れがどっと吹き出すようです。梅雨寒の天気や、反対に夏のような日差しに交互に見舞われるのも、原因かもしれません。
そんな時は、健康支援センター相談室を利用してください。私にも経験がありますが、人に話すことで心の重荷が軽くなるものです。また自分に厳しくなりすぎず、真面目になりすぎないことも秘訣のように思います。
五月の風は薫風。晴れた日には芝生園地につづく緑の中を歩くのもよいかも知れません。季節の変わり目を乗り切って、元気に夏を迎えましょう。

北軽井沢から望む浅間山

春祭り風景

2018年5月10日


欅若葉の季節

あっという間に桜の季節も過ぎ、学長室の窓から見えるケヤキの梢が、若緑色に輝くようになりました。
入学式に臨んだ新入生諸君、大学生になった気分はいかがですか? いよいよ自分のやりたい勉強に熱中できると、これからはじまる授業に胸を躍らせていることと思います。
在校生諸君は、それぞれ本格的な専門教育に進み、研究室やゼミナールで研究を深めようと張り切っていることでしょう。来年、卒業を予定している諸君は、進路に迷ったり、「シューカツ」に忙しかったりしているかもしれません。
4月はこれからはじまる大学暦の出発点です。一旦立ち止まって大きく息を吸いましょう。そしてこれからの1年の過ごし方、大学での過ごし方について、しっかりと計画を立ててください。何か一つでもいいから、1年の目標を決めてはどうでしょうか。
私の目標は、できるだけ多くの学生諸君と話をすることです。学内で見かけたら気軽に声をかけてください。一緒に力を合わせて、よりよいキャンパスをつくっていきましょう。

けやき

2018年4月9日

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