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グローバル地域センターシンポジウム「米中対立と地政学リスク」を開催


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12月16日、本学グローバル地域センターはグランシップ会議ホール風でシンポジウム「米中対立と地政学リスク」を開催しました。開会の挨拶に立った鬼頭宏学長は「アメリカの対中経済制裁が延期され、イギリスのEU離脱が確実視されるといった国際情勢の動きの中でタイムリーなテーマ」と期待を寄せました。
はじめに、NHK名古屋拠点放送局の島田敏男局長が「米中対立にある諸問題」と題して基調講演を行い、日本の領海と排他的経済水域を示しながら、アメリカ、中国、北朝鮮、韓国との関係のなかでこのエリアをどう安定的に保つかが重要と述べられたほか、先日亡くなられた中曽根元首相がソ連崩壊後の中国台頭を見据え、日本は解放路線の中国と様々な関係が築くことができると話されていたことなども披露されました。
続いて、株式会社双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦氏から「米中新冷戦と日本の選択」、株式会社ニッセイ基礎研究所研究理事の伊藤さゆり氏から「米中対立の時代のEU」をテーマにご講演いただきました。吉崎氏は米中対立の始まった理由としてアメリカ第一主義を進める中で対中制裁関税が一番やりやすかったことなどを挙げられたほか、関税の影響はマクロ的には大したことではないが、サプライチェーンの阻害や予見可能性の低下などミクロ的な問題は大きく、貿易戦争は一旦収束するだろうが新冷戦は続くとの見解を示されました。伊藤氏はEU内の所得格差が政治不安を生み出す要因の一つとなっていることに触れ、イギリスのEU離脱の支持層は工場地帯の低所得者であり、EU離脱で影響を受けるのも製造業であり、EUの離脱を決めることは難しくないが、これからの道のりのほうが大変であるなどの見解を示されました。
本学グローバル地域センターの柯隆特任教授は「米中対立と習近平政権のグローバル戦略」とのテーマで研究発表を行いました。中国は、世界の工場として遂げた奇跡的な成長から今後の減速予測のなかで、世界の市場として変化を遂げるには、法による統治、公平性、透明性の3つが大切であること、また、強国復権の夢を抱く中国が強国になる条件として経済力、軍事力のほかに文化力を高めることなどを指摘しました。
パネルディスカッションは、島田氏をコーディネーターとして、イギリスのEU離脱による日本への影響や、中国の一帯一路構想の今後の可能性などが議論され、会場からも、米中やEUの今後についての質問が多く出され、熱気あふれるシンポジウムとなりました。

鬼頭学長

島田敏男氏

吉崎達彦氏

伊藤さゆり氏

柯隆特任教授

パネルディスカッションの様子

(2019年12月24日)

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