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改良酵素でGABAを高効率生産 研究成果が国際化学雑誌『ChemBioChem』誌の表紙に採択


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γ-アミノ酪酸(GABA)は、トマトや発芽玄米などに含まれているアミノ酸の一種であり、ストレス緩和、血圧改善、睡眠の質改善などの機能性成分として知られています(図1)。GABAを含む多くの食品・加工食品が、特定保健用食品・機能性表示食品として認可されています。また、ゲノム編集食品として初めて承認された「高GABAトマト」も、GABAの含有量を高めることでトマトの商品価値を高めたものです。

図1 GABA関係商品

大学院薬食生命科学総合学府食品栄養科学専攻博士後期課程3年の髙木啓詞さん、中野祥吾准教授、伊藤創平准教授らは、グルタミン酸脱炭酸酵素(GABA合成酵素)の改良を行い、アミノ酸の1種であるL-グルタミン酸(L-Glu)から、GABAを簡便、迅速に合成する方法を構築しました。
GABA合成酵素は様々な植物や微生物に広く存在している酵素です。GABAを迅速に合成するためには、グルタミン酸を素早く脱炭酸する必要があり、天然に存在するGABA合成酵素では性能が不十分でした。そこで本研究では、GABA合成酵素の性能を改善するために、バイオインフォマティクスを活用しました。具体的には、大量のアミノ酸配列情報を解析して得られた情報を基に、酵素としての機能が向上が期待される変異を、GABA合成酵素に導入しました。変異が導入されたGABA合成酵素の性質を調べた所、酸や熱に対しての安定性が高くなり、活性も向上している事がわかりました。改良されたGABA合成酵素を用い、GABAの生産試験を行いました。結果、高純度のGABAの合成を、簡便かつ低コストで実現しました(図2)。

図2 改良したGADを用いたGABA合成


本研究成果は、Wiley-VCH社の国際化学雑誌『ChemBioChem』の表紙に選ばれ、11月5日付けで電子版が掲載されました。

<掲載された論文>
Design of a full-consensus glutamate decarboxylase and its application to GABA biosynthesis
Hiroshi Takagi, Kohei Kozuka, Kenta Mimura, Shogo Nakano, Sohei Ito

<論文表紙>
https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cbic.202100586
(外部サイトへリンク)

表紙の画像


(2021年11月26日)

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