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~将来の大腸がんリスクを調べる「コリバクチン検査」に関する発明~ 薬学部渡辺教授らの発明が日本と米国で特許権を取得


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このたび、本学薬学部 渡辺 賢二 教授らの発明が、日本国および米国にて特許登録となりましたので、お知らせします。

【発明の名称】
コリバクチンおよびコリバクチン産生菌の検出方法および検出プローブ

【登録番号】
日本国:特許第7219473号(2023年1月31日登録)
米国:US11,667,945 B2(2023年6月6日登録)

【特許権者】
静岡県公立大学法人

【発明者】
渡辺 賢二、恒松 雄太、佐藤 道大

渡辺賢二教授

発明の概要

日本で1年間に大腸がんを発症する人は15万人以上おり、罹患率はこの40年で約7倍に増えています。日本のみならず大腸がんの予防や治療は世界的な課題となっています。一方で、大腸がんは、早期の段階で治療を行えば高い確率で治癒できます。本発明は、大腸がんの早期発見を通じて、この世界的な課題解決に資するものです。
現在、大腸がんの検査として一般的な便潜血検査は、有効性の高い方法である一方、潜血を測るため痔や他の病気による出血でも陽性と判定してしまいます。また、潜血を伴わないレベルのポリープは陰性と判定してしまうという点も課題でした。
本発明によれば、便潜血検査と同様に少量の便を採取し、採取した便の中にコリバクチン産生菌がいるかどうかを調べることで、大腸がんのリスクを判定することができます。

発明のポイント

  • 従来の大腸がんリスク検査と全く異なる、マイクロバイオーム(ヒトの身体に共生する微生物)を活用した技術として革新的。
  • コリバクチンの生合成酵素ClbPプロテアーゼを蛍光プローブで検出するので簡便、高感度。
  • 発がんメカニズムのより上流を捉えるので、前がん状態や初期ポリープでも判定できる。
  • 病変が見つからなくとも予備群に該当するため、経過観察や予防措置(食事療法等)が可能。
  • 便潜血反応検査と観点が異なるため、両方実施し診断確度を上げることが期待できる。

渡辺教授らは、大腸がん患者の7割が保持し、発がんリスク因子と考えられている「コリバクチン」(腸内大腸菌が産生する遺伝毒性物質(遺伝子に損害を与えたり、異常を誘発させる物質))に着目し研究を進め、コリバクチンの生合成酵素を検出する蛍光プローブ、およびそれを用いた発がん性大腸菌の検出方法に関する今回の発明に至りました。
本発明によれば、糞便試料からコリバクチン生合成酵素をN-ミリストリル-アスパラギン-蛍光基質を用いて蛍光測定装置で検出できます。このコリバクチン産生菌を簡便に検出できる試薬により、従来の遺伝子検査法に比し、簡便な前処理および短時間で多数の検体分析が可能となり、大規模スクリーニングにも適用できるようになりました。本発明による検査法はコスト面でも分析処理能力においても極めて高い優位性をもっています。

「コリバクチン検査」について

本発明を実用化するため、本研究代表者の渡辺教授と株式会社ヘルスケアシステムズ(本社:愛知県名古屋市)との共同で、静岡県立大学発ベンチャー「株式会社アデノプリベント」(本社:愛知県名古屋市)を設立。蛍光プローブ法による検査サービス「コリバクチン検査」を日本国内で実用化し、既に26,000検体以上の検査実績があります。
「コリバクチン検査」の詳細は、株式会社アデノプリベントのWebサイトにて、ご確認いただけます。

静岡県立大学発ベンチャー
株式会社アデノプリベント(2019年5月設立)
愛知県名古屋市昭和区白金一丁目14番18号
役員:代表取締役 瀧本 陽介
取締役 渡辺 賢二 他
Webサイト:https://www.adenoprevent.jp

お問い合わせ

静岡県立大学 地域・産学連携推進室
電話:054-264-5124
E-mail:renkei@u-shizuoka-ken.ac.jp

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