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SDGsへの取り組み:経営情報学部


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現在、日本では、経済・社会のグローバル化、少子高齢化など、国内外からの厳しい環境変化と多くの課題に直面しており、現代社会の各分野でイノベーション(革新)を起こすことが求められています。経営情報学部では、社会においてイノベーションを担う問題解決型の人材の育成を通して、SDGsの目標達成に貢献しています。

達成目標

今回は、経営情報学部のSDGsへの取り組みの先進事例として、落合康裕教授の「地域経済の持続可能性と事業承継」の研究活動を紹介します。

日本には創業100年以上の老舗企業が約33,000社あり、この数は世界一です。また、老舗企業のうち、多くの企業が地域に根ざした経営を行なっています。落合教授は、なぜ地域に根差すことが事業の存続性を高めるのかという問題意識から、日本の中小企業の大多数を占めるファミリービジネスの事業承継に焦点を当てて調査・研究してきました。研究事例の一つとして、1790年創業の大和川酒造店(福島県喜多方市)について紹介します。

落合教授によると、大和川酒造店は現在、九代目の佐藤彌右衛門さんが当主を務めています。佐藤さんは伝統的な事業を受け継ぐとともに、2つの革新的な取り組みを行なってします。

第一に、ビジネスシステムのイノベーションです。具体的には、これまで代々頼ってきた杜氏職人の高齢化と後継者不足の問題に対処するために、工場の機械化を図りました。しかしそれは単純に機械を導入するだけではなく、これまで杜氏職人がもっているノウハウを機械による製造工程に落とし込むことで技術を維持する工夫をしています。さらに、商品生産の安定化、品質の均一化を図り、高品質の地酒づくりと機動的な新商品開発も行えるようになりました。また、米の仕入れ先である地元の零細農家の協力を得て、自社で農業法人を設立し、酒造りにおいて必要な高品質な米の生産と安定的な供給体制を確立しました。このような取り組みが実り、同社は新酒鑑評会で連続して金賞するなど高く評価されるようになりました。

第二に、地元の自治体と金融機関と共同出資で会津電力という太陽光発電の会社を立ち上げたことです。東日本大震災は福島県の人々に大きな影響をもたらしました。その経験から、安全で持続可能なエネルギーによる地域づくりを目指すようになりました。この会津電力は、太陽光発電だけでなく、小水力、森林資源を利用した木質バイオマス発電、地熱、風力などにも取り組んでいます。同社は、分散型の安全なエネルギーの開発に取り組み、エネルギーの地産・地消、さらには地域を超えた再生可能エネルギーの供給を行なっています。

このように、この会社は地元に根ざして、地域の資源を保全・活用することによって、将来世代に繋ぐ会社経営を実践しています。落合教授はこのような経営を、地域と企業との相互共創型の事業承継モデルと定義し、地域経済の活性化、地域の雇用創出、地域ブランドの構築に貢献できると評価しています。このような地域の老舗企業のイノベーションやガバナンスのあり方を研究することで、地域創生とSDGsの実践に務めています。

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